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【読書】人類とイノベーション ー世界は「自由」と「失敗」で進化する

イノベーションは人びとが自由に考え、実験し、冒険できるときに起こる

マット・リドレーさん(著)、 大田直子さん(翻訳)の「人類とイノベーション:世界は「自由」と「失敗」で進化する」を読んだため、その内容を軽くまとめます。
最近本を読んでもそもままにすることが多いので少しずつまとめていきます。

目次

第1章 エネルギーのイノベーション
第2章 公衆衛生のイノベーション
第3章 輸送のイノベーション
第4章 食料のイノベーション
第5章 ローテクのイノベーション
第6章 通信&コンピューターのイノベーション
第7章 先史時代のイノベーション
第8章 イノベーションの本質
第9章 イノベーションの経済学
第10章 偽物、詐欺、流行、失敗
第11章 イノベーションへの抵抗
第12章 イノベーション欠乏を突破する
特別追記:コロナ後の世界とイノベーション

所感

第7章までは最近のITに関するイノベーションを始め、エネルギーや公衆衛生、輸送、食料などすでに当たり前となっているインフラのイノベーションが起きた事例を解説している。第8章以降では、これらの事例を根拠にイノベーションの本質に関して深堀りする。

イノベーションは既存のアイデアやテクノロジーと他のアイデアの組み合わせであり、それを生み出すための中心的な概念は「自由」である。
自由とは「交換し、実験し、想像し、投資し、失敗する自由であり、統治者や聖職者や泥棒による奪取と制約からの自由であり、消費者の立場からすると、自分が好きなイノベーションに報い、そうでないものを拒む自由(第12章)」であり、著者も付言する通り、極端に自由を主張する無法という意味ではない。
何かが具体的に禁止されていないなら、それは許されるはずだと想定すべきという考えが大切としている。もちろん、公共の福祉に反さず、人を傷つけないことが前提となる。

このような自由・実験志向の考え方は、AmazonやGoogleのような企業に当てはまる。

概要

イノベーションとは?

イノベーション =「発明」+「改善活動」

※発明をすることだけがイノベーションではない。

スマホや電球などのもととなる発明は、実際に普及する前から存在はしていた。
大切なのは、既存の技術を各分野から応用し、改善し続けること

イノベーション発生の法則

  • 漸進的である
  • 試行錯誤が不可欠
  • 自由に挑戦できる環境
  • 人と人の間で起きる
  • 世間が受け入れるまでには時間がかかる
  • 予測は困難

イノベーションは突然のひらめきではなく、段階的で、漸進的で、集積的である。たとえば、自動運転の実用化に向けた取り組みはイノベーションの一部といえる。

1人の力ではイノベーションは起きない

1人が知れることは少ないので、それぞれの得意分野を生かしていくことが大切。

きわめて単純な物やプロセスでも、一人の人間だけでは理解できないことなどからもわかるように、イノベーションは常に「協力」と「共有」を必要とする。

人類史の大きなテーマ

進む生産の専門化」と「進む消費の多様化」の組み合わせ

生産の専門化や消費の多様化を進める新しいものは定着し、人を自給自足へと引き戻すものは定着しない

革新的では快適なイノベーションで大切なのは、新しいおもちゃを作るのではなく、現実の顧客のニーズと要望を中心にすえた新事業を立ち上げること

Licensed under CC BY-NC-SA 4.0
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